第20回日本脳神経血管内治療学会報告

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概要
第20回日本脳神経血管内治療学会報告
会長 瓢子敏夫
 
日本脳神経血管内治療学会広報委員会 坂井信幸、松丸祐司
 2004年11月17から19日の3日間、第20回日本脳神経血管内治療学会(会長 中村記念病院脳神経外科瓢子敏夫先生)が、887名(一般825名、コメディカル67名)の参加者を迎えて札幌コンベンションセンターで開催されました。3日間にわたり454題の演題が発表され、活気にあふれた学会が盛況のうちに終わりました。
 会長の開会の挨拶の後、本学会のメインテーマである「脳血管内治療のスタンダード」のトップをきって転換期を迎えつつある「頚動脈ステントのスタンダード」から初日の討議が始まりました。津浦光晴先生、黒岩輝壮先生、坂井田博司先生、片岡丈人先生により、診断、治療適応、手技、周術期管理に関する現状でのコンセンサスが発表されました。次に、もうひとつのテーマである「脳血管内治療の歴史と将来」に関してLuc Picard先生と根来真先生から特別講演が行われ、さらにMichel Mawad先生により最新の脳血管撮影装置の画像とそれを用いた脳血管内治療の講演が、Pierre Lasjaunias先生により脳血管解剖に関する教育講演が行われました。ランチョンセミナーは、「脳梗塞急性期治療に関する最近の話題、成富博章先生」と「国産動脈瘤塞栓コイル開発ー現状から未来へ、坂井信幸」でした。初日の午後には28題の一般口演、330題のポスター発表が行われ、座長および一般参加者によるポスター賞の選考が行われました。講演と並行し、放射線防護委員会の安倍等思先生らの企画により脳血管内治療医に対する水晶体検査が行われ、最終日までに191人が検査を受けました。結果は後日各個人に報告されます。夕方からは軽い食事とアルコールを摂りながら、John C. Chaloupka先生による「NeurofoamとMatrixを使った新時代の脳動脈瘤治療」およびMarco Leonardi先生による「イタリアでの脳動脈瘤治療の現状」についての講演があり、さらに瓢子会長の企画により厳選された12例の「会心の一撃」の症例報告があり、こちらも懇親会で表彰されました。
 学会2日目は、「硬膜動静脈瘻のスタンダード」から始まりました。小宮山雅樹先生、松本康史先生、松丸祐司、桑山直也先生、吉村紳一先生、佐藤浩一先生、牛越聡先生により、各部位の硬膜動静脈瘻の、解剖、診断、治療適応、治療法に関する現状でのコンセンサスが発表されました。次にPierre Lasjaunias先生による特別講演「Veins from anomaly to malformations」、瓢子会長による講演「チャレンジからスタンダードへ、そして新たなチャレンジへ」が行われましたが、発足20年を迎え黎明期から発展・成熟期を迎えた脳血管内治療の位置づけをご自身の関わりと合わせて講演され、会員に大きな感動を与えました。午前の最後にはLuc Picard先生による「脳動静脈奇形に対する血管内治療」の特別講演が行われ、ランチョンセミナーは、「Expertsユ Experience with TruFill DCS、桑山直也先生・宮地 茂先生・寺田友昭先生」と「下肢閉塞性動脈硬化症に対するインターベンション治療、南都伸介先生」でした。午後の議事総会では、3年後の第23回日本脳神経血管内治療学会の会長が神戸市立中央市民病院の坂井信幸先生に決定したことが報告され、特別会員の創設や専門医制度の変更に関する会則改正が行われました。詳細はホームページをご覧ください。(http://www.jsnet.umin.ac.jp)午後には「脳動脈瘤コイル塞栓術のスタンダード」が行われました。坂井信幸、伊藤靖先生、藤中俊之先生、村尾健一先生、村山雄一先生、小林繁樹先生により、破裂脳動脈瘤のISAT後の治療適応、手技、フォローアップ、未破裂脳動脈瘤の現状等が発表されました。これを受けMichel Mawad先生の脳動脈瘤血管内治療に関する講演があり、14題の一般口演を終えて、サッポロビール園での会員懇親会へ移動となりました。懇親会では、ポスター賞とイブニングセミナーの表彰が行われ、ジンギスカンとビールを堪能しました。
 3日目は、「その他の疾患のスタンダード」が行われ、中原一郎先生は局所線溶療法、宮地茂先生は脳動静脈奇形、江面正幸先生は椎骨動脈解離、杉生憲志先生は脳腫瘍塞栓術に関するスタンダードを発表されました。引き続き本学会での新しい試みとして企画された看護師による「脳血管内治療の看護とクリニカルパス」が行われました。14題の演題が発表され活発な討論が行われました。またB会場では21題の一般口演が行われました。すべての演題が無事終了し、瓢子敏夫会長による閉会のあいさつが行われました。引き続午後から、Continuing education programである脳神経血管内治療学会教育セミナーが行われ、290人の出席がありました。今年から専門医試験を目指す先生の知識の整理や専門医に対する生涯教育に役立つ企画として、技術教育委員会が主になって準備を行われ例年に増して盛況でした。
 今回の学会は第20回という節目の回でしたが、瓢子会長のすばらしい企画により大成功のうちに終わりました。脳血管内治療がまさに大ブレークする直前に、現時点の各種疾患に対する脳血管内治療の適応と治療法のスタンダードが明らかとなり、多くの参加者達は充実した気持ちで全国の病院に戻られていったのではないでしょうか。2005年は和歌山で寺田友昭新会長のもとに開催されます。今もっともアクティブに活動している学会の代表である日本脳神経血管内治療学会へのご参加、ご支援をお願いします。

    文責 日本脳神経血管内治療学会広報委員会 坂井信幸、松丸祐司

           


教育シンポジウム「血管内治療のスタンダード」
1 頸動脈ステント留置術(座長 桑山直也、坂井信幸)
「診断と治療適応、津浦光晴」
「手技のスタンダード1:基本手技、黒岩輝壮」
「手技のスタンダード2:プロテクション、内視鏡、阪井田博司」
「周術期管理、片岡丈人」
2 硬膜動静脈瘻(座長 兵頭明夫、宮地 茂)
「海綿静脈洞部:診断と解剖、治療適応、小宮山雅樹」
「海綿静脈洞部:治療戦略と基本手技、松本康史」
「横S状静脈洞部:診断と解剖、治療適応、松丸祐司」
「横S状静脈洞部:治療戦略と基本手技、桑山直也」
「前頭蓋底、天幕、上矢状洞、吉村紳一」
「頭蓋頸椎移行部、佐藤浩一」
「脊髄硬膜動静脈瘻、牛越 聡」
3 動脈瘤塞栓術(座長 根本 繁、江面正幸)
「破裂脳動脈瘤の治療選択、坂井信幸」
「瘤内塞栓術基本手技、伊藤 靖」
「瘤内塞栓術応用手技、藤中俊之」
「親動脈閉塞手技、村尾健一」
「周術期管理とフォローアップ、村山雄一」
「未破裂脳動脈瘤に対する現状での考え方、小林繁樹」
4 その他の疾患(座長 寺田友昭、新見康成)
「局所線溶療法、中原一郎」
「脳動静脈奇形、宮地 茂」
「椎骨動脈解離、江面正幸」
「脳腫瘍、杉生憲志」

教育セミナー
脊髄動静脈奇形と動静脈瘻 新見康成
脳血管内治療における放射線被爆とその防御 安陪等思
脳血管内治療に必要な脳血管解剖 小宮山雅樹
血管造影の全身への影響と合併症 藤中俊之
頭蓋内血管形成術とステント留置術 松丸祐司
頸動脈ステント留置術の基本手技 杉生憲志、吉村紳一、坂井信幸
脳動脈瘤コイル塞栓術の基本手技 伊藤 靖、村山雄一、松丸祐司

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ポスター表彰
金賞
山家弘雄  和歌山県立医科大学脳神経外科  PB013
 内頚動脈狭窄症に対するPARODI法を用いたPROXIMAL PROTECTIONのVARIATION
坂井千秋  先端医療センター脳血管内治療部門 PB026
 CT ANGIOGRAPHYを用いた頚動脈ステント術後の経過観察ー各種自己拡張型ステントの検討
堀 恵美子  富山医科薬科大学脳神経外科  PB036
 頚動脈ステントの遠位側はどこまでかけるか?解剖体における頚動脈アテローマプラークの検討より
高尾洋之  東京慈恵会医科大学脳神経外科  PC002
 新しい塞栓物質の開発ーTHERMO-REVERSIBLE GELATIN POLYMER(TGP)
結城一郎  Department of Radiological Sciences, UCLA Medical Center PC006
 頚動脈治癒機転に関する免疫組織学的解説ーNIH PROJECT PART1
銀賞
古口徳雄  千葉県救急医療センター神経内科 PA021
清水 暁  北里大学脳神経外科  PB129
津本智幸  和歌山県立医科大学脳神経外科  PC009
石井 暁  Division of Interventional Neuroradiology, UCLA PC011
小林信雄  聖路加国際病院放射線科  PC047
銅賞
飯塚 宏  名古屋大学脳神経外科  PA059
岡 真一  札幌医科大学脳神経外科  PB034
田上秀一  大分大学放射線医学  PB126
小澤 仁  汐田総合病院脳神経外科  PC001
太田 信  ジュネーブ大学病院放射線科  PC013
藤村直子  久留米大学脳神経外科  PC020
庄島正明 東京大学脳神経外科 PC021
工藤琢巳 国立循環器病センター脳神経外科 PD007
泉 孝嗣 名古屋大学脳神経外科 PD050
花岡真実 徳島大学脳神経外科 PD072
辞退者(学会役員、主催者のため)
坂井信幸 PA058
宮地 茂 PB112
片岡丈人 PB029
長島 久 PB089

イブニングセミナー「会心の一撃」
金賞 坂井信幸「isolated sinusに対する経動脈静脈洞塞栓術に成功した横S状静脈洞硬膜動静脈瘻」
銀賞 飯塚有応「血管内治療が奏功したガレン大静脈瘤mural typeの一症例」
銅賞 中村 貢「Stent併用コイル塞栓術を施行した脳底動脈巨大動脈瘤の一例」

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スナップ

 
 
     
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