「関連4学会承認 脳神経領域の液体塞栓物質を用いた塞栓術実施基準」策定とOnyx導入計画承認のお知らせ 2009.5.1  



会員(専門医)各位

拝啓 会員各位にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻、腫瘍などに対する液体塞栓物質を用いた塞栓術は、脳神経領域の血管内治療にとって重要な位置を占めることは周知のことです。この度、日本脳神経外科学会を幹事学会として、日本血管内治療学会、日本インターベンショナルラジオロジー(IVR)学会および本学会(日本脳神経血管内治療学会)が協力して、下記の通りの「脳神経領域の液体塞栓物質を用いた塞栓術 実施基準」を策定しました。この実施基準策定は、われわれ日本脳神経血管内治療学会はもとより日本脳神経外科学会など関連諸学会が液体塞栓物質の薬事承認を要望し「医療ニーズの高い医療技術」に認定され、早期導入と承認を目指す案件に指定されたことを受けて、厚生労働省の指示で進めてきたものです。これに基づき、2008年9月26日に中心循環系血管内塞栓促進用補綴材ONYX液体塞栓システムLD(製造販売業者ev3(株)、販売業者日本メドトロニック(株))が薬事承認されました
。なお、今回の承認は「外科手術以外では治療困難な脳動静脈奇形の外科的摘出術に際し、術前塞栓術が必要な場合」に限定されていることを合わせてお知らせいたします。また、同社が策定した「Onyx液体塞栓システムLD製品導入要領」を4つの関連学会が承認しましたので、合わせてここに公告いたします。今後も、脳血管内治療関連機器の薬事承認、健康保険収載に向けて、学会は積極的に活動して参ります。会員各位のご協力ご理解をお願い申し上げます。     敬具

関連4学会承認 脳神経領域の液体塞栓物質を用いた塞栓術 実施基準
適応

液体塞栓物質が有効な下記の疾患に対する塞栓術
  脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻、その他動静脈短絡性疾患、脳腫瘍
個別の塞栓物質の適応は、薬事承認上の適応とする

実施施設基準

脳血管内治療を行うに適切な血管造影装置が、手術室もしくは血管造影室に常設されていること
常時、脳神経外科手術が行える環境を有するこ

実施医基準

基礎資格 学会資格 下記のいずれかの学会の専門医であること
 日本心血管インターベンション学会認定医
 日本脳神経血管内治療学会専門医
脳血管内治療の経験

術者として脳神経血管内治療を200例経験していること
術者または助手として、5件以上の液体塞栓物質での塞栓術の施行経験を有すること

資格取得 研修義務 対象塞栓物質の研修プログラムを修了していること [註2] を受講していること
症例見学 対象塞栓物質を用いた塞栓術を見学していること
治療経験 研修プログラムおよび症例見学を終了した後、術者として対象塞栓物質を用いた塞栓術を施行し、指導医による実施治療の評価を受けているこ
指導医基準 基礎資格  対象塞栓物質の実施医資格を有すること
治療経験 術者として、5件以上の対象塞栓物質による塞栓術を経験していること
付帯事項 本実施基準は市販後調査の結果をもとに3年毎に見直す
関連4学会
(担当委員)

日本インターベンショナルラジオロジー(IVR)学会(JSIR) :稲葉吉隆(愛知県がんセンター)、蓮尾金博(国立国際医療センター)
日本血管内治療学会(JSEI):坂井信幸(神戸市立医療センター中央市民病院)
日本脳神経外科学会(JNS) (*幹事学会) :新井 一(順天堂大学)
日本脳神経血管内治療学会(JSNET):坂井信幸、宮地 茂(名古屋大学) 

研修プログラム

製品使用方法の概説(講座形式)
フローモデルでの注入実習
動物実験での注入実習(必要に応じて実施)
症例(実例ないしはビデオ)のレビューと研修指導医との質疑応答
研修指導医の立ち会いの下での対象塞栓物質を用いた塞栓術の実施(必要に応じて実施)
病院スタッフの講習:治療に係わる病院スタッフは、初めて治療が行われる前に、研修管理委員会の認定者からの講習を受講していることが必要である

研修管理委員会

対象塞栓物質を販売する企業は、企業内に研修管理委員会を組織する
研修管理委員会は、関係学会の指導・助言を基に、初期指導医・研修指導医の認定や、研修計画の策定・運営・管理、市販後調査を行う
研修指導医は、研修医の研修修了を研修管理委員会に報告する

初期指導医 液体塞栓物質を用いた塞栓術の豊富な臨床経験を有し、研修管理委員会が認める医師は初期指導医と認定される
Onyx液体塞栓システムLD 製品導入要領 (ev3/日本メドトロニック)
製品概要 使用目的 外科手術以外では治療困難な脳動静脈奇形の外科的摘出術に際し、術前塞栓術が必要な場合にその塞栓物質として使用する。
品目、用法 エチレンビニルアルコール(EVOH)コポリマーをジメチルスルホキシド(DMSO)を溶媒として溶解した物質
濃度によりOnyx18,Onyx34の2種類が供給される
患者1日あたりのDMSO(Onyx溶液中のDMSOを含む)が3.0mLを超えないように使用する(通常使用で3バイアルまで)。
承認条件 1. 本品を用いた脳動静脈奇形治療に関する講習の受講等により、本品の有効性及び安全性を十分に理解し、手技等に関する十分な知識・経験を有する医師が適用を遵守して用いられるよう、必要な措置を講じること。
2. 脳動静脈奇形に対する緊急の外科手術ができる体制が整った医療機関で本品が使用されるよう、必要な措置を講じること。
3. 再審査期間中は本品使用症例全例につき登録の上、塞栓後2年のフォローアップを行うこと。
資格取得要件
[註1]
実施医 「関連4学会承認脳神経領域の液体塞栓物質を用いた塞栓術実施基準」の「基礎経験(註2)」を有すること
Onyxの研修プログラムを修了していること
研修指導医が実施するOnyxを用いた脳動静脈奇形塞栓術を1件以上見学していること
研修指導医の実地での監督の下に、1件以上Onyxを用いた、承認上の適応に合致した塞栓術を施行すること
研修指導医が研修実績を評価し実施医と認めること
指導医 Onyxの実施医であること
治療経験に基いた以下の資格取得条件AまたはBのいずれかを満たしていること
  条件 A B
直近3年間の液体塞栓物質を用いた脳動静脈奇形塞栓術の術者としての治療経験 20件以上 20件未満
承認上の適応に合致し成功裏に終了した、Onyxを使用した脳動静脈奇形塞栓術の術者としての治療経験 5件以上 10件以上
Onyxを使用した脳動静脈塞栓術の術者としての治療経験を、研修指導医による評価と認定を受けること

註1 本資格取得要件に必要な臨床経験はすべて国内における経験とする。
   実施医・指導医ともに研修管理委員会の認定を以って資格取得とする。
   研修は、研修管理委員会が指定した契約研修指導医(プロクター)が担当する。

研修プログラム 製品研修
(医師向け)
製品使用法概説(講座形式)

フローモデルでの注入実習

動物モデルでの注入実習
研修指導医による症例のレビューと質疑応答
症例見学

研修指導医が実施するOnyxを用いた脳動静脈奇形塞栓術を1件以上見学していること[註2]

実施治療 研修指導医の実地での監督の下に、1件以上Onyxを用いた、承認上の適応に合致した塞栓術を施行すること[註3]
製品講習 初回症例の前に、製品使用法に関する講習を病院スタッフが受講する
註2 症例見学は、研修プログラム前に実施することもできる。研修指導医は、見学する医師に「証明書」を発行する。
註3 実施治療は、研修プログラム(医師向け)、製品講習(病院スタッフ向け)、症例見学、所属施設とイーヴィースリー株式会社の製造販売後使用成績調査契約締結後に行う。
初期指導医 Onyx液体塞栓システムLD研修管理委員会は、新見康成(ルーズベルト病院、米国)、坂井信幸(神戸市立医療センター中央市民病院)、宮地 茂(名古屋大学)、村山雄一(東京慈恵会医科大学)の4名の医師を、所定の研修終了後、日本国内の初期指導医として認定する。 
全ての初期指導医は、イーヴィースリー社所定の研修を修了後、承認上の適応に合致した5件以上の塞栓術を国内で成功裏に終了し、指導開始に際し実施治療の指導を行ったプロクターによる治療症例の評価と認定を受けて指導を開始する。
初期指導医は、国内の各地域ブロック(北海道、東北、関東、北信越、中部、近畿、中四国、九州)で均一に研修指導医を育成するよう努力する。

 資料(ダウンロードファイル
  実施基準策定依頼(0708)
  脳神経領域の液体塞栓物質を用いた塞栓術実施基準(0805)
  Onyx液体塞栓システムLD 承認取得時通知(0809)
  Onyx液体塞栓システムLD 製品導入要領(0903)

  Onyx液体塞栓システムLD 添付文書(0903)

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