NPO法人日本脳神経血管内治療学会第30回学術総会 会長からのメッセージ 2014.10.20

 

日本脳神経血管内治療学会会員各位

謹啓 爽秋の候、先生におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
JSNET2014のプログラムについてご説明させて頂きます。

脳血管内治療のアドバンテージは、内科治療より直接的に血行再建が可能で、外科治療より低侵襲であることです。またすべての手技は類似しており、また単純であるため習得が容易です。さらに企業が多くを投資し新しい機器や材料を開発しているため、進歩が早くかつ今後もそれが継続すると思われます。現在脳卒中治療に必要な不可欠なものとなりました。すべての脳卒中治療医に、この治療法を学ぶことを強く勧めます。

今回主催させていただく第30回日本脳神経血管内治療学会学術総会(JSNET2014)には、1,200題もの演題応募ありました。30回という記念すべき学術総会に過去最高数の演題応募があったことを大変喜ばしく思い、また心より感謝いたします。本治療法の普及と発展を実感します。

さて、JSNET2014のプログラムが確定しました。今回は演題数が増加したため最終日の午後まで学術集会を行います。また、私のライフワークと考えている発生・解剖に関する講演を多くしました。12月4日(木)は発生・解剖・動静脈シャント疾患を、5日(金)は脳動脈瘤を、6日(土)は虚血性疾患を中心に討論します。またCEPは基本と応用ではなく、一般と解剖のコースにしました。1日目と2日目の朝に並列で2つのコースを2日にわけて行います。また最終日のプログラム終了後に、並列で2日分を続けて再放映します。そのため、がんばれば2つのコースをすべて受講することができます。

1日目は脳血管内治療のエキスパートに参加していただきたいセッションがたくさんあります。またエキスパートになりたいという人は、プレナリーの発生・解剖・塞栓術、イブニングのPierre Lasjaunias Memorial Conference、CEPの解剖コースで、神経放射線学を是非学んでください。専門医になり動脈瘤の治療ができるようになった人は、AVM, dAVF, BOTのシンポジウムを聞いて、ステップアップを目指してください。また被ばくの問題は血管内治療の欠点で、本学会の一つ目の企画である「術者被ばくの測定」では、大変興味深い結果がでました。エキスパートの施設でも無頓着のところが多くあり、大変心が痛みます。是非ともその結果を聞いて、自分のため患者のために手技を変えてください。

2日目は脳動脈瘤のシンポジウムが2つあります。ステント併用コイル塞栓術の総括とFlow diverter等の新型ステントに関するものです。今後も脳動脈瘤治療は血管内治療へシフトしていくと思いますが、その将来像が見えてきます。また「日本からの情報発信」というプレナリーでは、コングレス、脳外科総会と続いた可視化研究を九州大学飯原先生にお願いし本会でも継続します。JR-NETは会員のご協力により大きな成果を生みましたが、今後の日本から発信する登録研究の方法を検証します。イブニングでは翌日の再開通セッションの前に、海外からの3演者による、Penumbra, Solitaire, Trevoのディベートを行います。再開通治療にたずさわる医師には必聴のセッションだと思います。その後は会員懇親会です。飲みましょう。

急性再開通治療は、今まではもっぱら再開通率が関心事でありましたが、新規デバイスによりそれは達成され、これからは再開通までの時間に関心が移りました。3日目のプレナリーでは予後改善のために何をすべきか徹底的に討論します。また頭蓋内血管狭窄は日本人に多いことはわかっていましたが、その最近の知見を短い時間ですが東京大学脳神経外科の宮脇先生に話していただきます。また2つ目の学会企画である「過灌流高危険に対するCASのアンケート調査」へのご協力ありがとうございました。大変興味深い結果となりました。このテーマは来年のJSNETに引き継ぎますが、是非とも聞いてください。最後にキャリアパスのプレナリーですが、このセッションに参加し、自分は何を目指すのか、それにはどうすれば良いのか、本会でヒントを見つけてください。また3つめの学会企画である「脳血管内治療のハローワーク」では、脳血管内治療を勉強したいがその機会がない医師に、受け入れ可能な施設を紹介します。現在までに80施設の登録がありました。当日ブースを設ける施設もあります。お待ちしています。

最後に海外からの演者を紹介します。
◆Georges Rodesch (フランス)神経放射線科医
◆Michael Soderman(スウェーデン)神経放射線科医
◆Sirintara Pongpech(タイ)神経放射線科医
◆Naci Kocer(トルコ)神経放射線科医
◆Vitor Mendes Pereira (カナダ)神経放射線科医
◆Raul G Nogueira (アメリカ)神経内科医
◆Aquilla S. Turk (アメリカ)神経放射線科医
Dr. Rodesch, Dr. Soderman, Dr. Pongpechは、私のMentorである故Pierre Lasjaunias先生の門下生で、1日目に発生と解剖に関連した講演をしてもらいます。またDr. Rodeschには1日目のアフタヌーンセミナーでMagic catheterとNBCAによるAVM治療を、Dr. Sodermanには1日目のランチョンでフィリップスの低被ばく血管造影装置の講演もしてもらいます。Dr. Kocerには、1日目に液体塞栓物質によるAVM治療と2日目にテルモのFlow diverter であるFREDによる動脈瘤治療のランチョンをしてもらいます。Dr. Pereiraは、SolitaireによるSTAR trialやSWIFT Prime試験のPrimary investigatorで、3日目にそのランチョンと、2日目にPipelineに関する講演、3日目モーニングでフィリップス血管造影装置によるPipeline留置後の動脈瘤血栓化予測に関する講演をしていただきます。Dr. Nogueiraは、Trevo 2試験のPrimary investigatorであり、2日目のそれに関するランチョンと、3日目にWingspanに関する講演をしていただきます。Dr. TurkはPenumbraのADAPTの著者であり、2日目にそれに関するランチョンをお願いしています。以上、海外演者による講演も大変充実しています。

脳血管内治療は特別な治療ではなくなりました。もはや開頭か血管内かではなく、開頭も血管内もの時代になりました。一人でも多くの方に参加してもらいたいと思います。周りにいる非会員の医師や脳血管内治療を直接やらない同僚、上司を連れてきてください。そのためにと
っておきのエクスカーションも用意しています。12月に少々寒くなりますが、熱い討論をしましょう。では横浜で。

2014年10月20日
NPO法人日本脳神経血管内治療学会第30回学術総会会長
虎の門病院脳神経血管内治療科
松丸 祐司


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