「関連11学会承認 頚動脈ステント留置術実施基準」改訂のお知らせ 2012.4.1  
 
会員(専門医)各位

拝啓 頚動脈ステント留置術(以下CAS)実施基準は2007年にCAS用医療機器が薬事承認される際に関連12学会(当時)が合意して作成され運用されてきたことは周知の通りです。この度、日本脳卒中学会を幹事学会として、日本脳神経血管内治療学会(以下本学会)も参加した関連11学会が協力して、下記の通り新しい「頚動脈ステント留置術 実施基準」を策定し、2012年1月17日付けで公表されました。
このたび、既承認機器の一部の研修プログラムの改訂が整いましたので、実施基準改定とその内容を公告します。

実施基準の改定の背景
この実施基準の改訂は、以下の理由により改訂されました。
1 これまで運用してきたCAS実施基準に「本実施基準は市販後調査の結果をもとに3年毎に見直す」と定められている
2 2008年の保険償還開始後に累計で20,000件を越える治療実績が国内で蓄積されている
3 市販後調査の結果が公表され概ね受容できる結果が得られている
4 2010年に新たなCAS用ステントおよび遠位塞栓防止機器が承認され、複数の機器がCASに用いられる時代を迎えた

改訂に伴って日本脳神経血管内治療学会専門医制度の運用が以下の通り変更されています。専門医制度ーQ&Aのページも参照してください。
1 2012年1月から、CASの実施医資格を得ている者は、専門医受験の際の脳血管内治療の経験にCASの術者経験を含むことが可能です。
2 2012年から、CASの実施医資格を得ている者は、専門医試験の実地監査をCASで受けることが可能です。

今後も、脳血管内治療関連機器の薬事承認、健康保険収載に向けて、学会は積極的に活動して参ります。会員各位のご協力ご理解をお願い申し上げます。     敬具

関連11学会承認 頚動脈ステント留置術 実施基準(2012年1月改訂)
適応 高度頚動脈狭窄症
個別の機器の適応は、薬事承認上の適応とする
実施施設基準 設備機器:手術室または血管撮影室に適切な血管造影装置が常設されていること
治療環境:脳卒中治療医[註1]及び循環器科医の迅速な対応が常時得られること
実施医基準
基礎経験 選択的頚動脈撮影を含む脳血管造影を30症例以上経験していること
かつ以下のいずれかの条件を満たすこと
1. 日本脳神経血管内治療学会専門医に準じる脳血管内治療経験を有し、頚動脈ステント留置術を助手として10件以上経験していること
2. 冠動脈ステント留置術を術者として200例以上経験していること
3. 末梢血管ステント留置術を術者または助手として50例以上経験していること
研修義務 対象医療機器の研修プログラム [註2]を修了していること
註1:脳卒中治療医とは、脳卒中の治療経験豊富な、日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本神経学会専門医、日本脳神経血管内治療学会専門医のことを言う
註2:実施医となるためには、ステントシステムおよび遠位塞栓防止機器の研修プログラムをそれぞれ修了していることを要する
附則 この実施基準は必要に応じて見直す
関連11学会
 日本インターベンショナルラジオロジー(IVR)学会(JSIR)
 日本頚部脳血管治療学会(JASTNEC)  
 日本血管外科学会(JSVS)
 日本血管内治療学会(JSEI) 
 日本循環器学会(JCS) 
 日本神経学会(SNJ)
 日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)  
 日本脳神経外科学会(JNS)
 日本脳神経血管内治療学会(JSNET) 
 日本脳卒中学会(JSS)
 日本脈管学会(JCA)
本基準は、2007年に策定された実施基準(旧基準)と比べ、以下のように変更された。
1. 適応に「個別の機器の適応は、薬事承認上の適応とする」を追加した。
2. 施設基準から手術実績を削除した。
3. 基礎経験から学会認定医、専門医を削除したが、脳領域では「日本脳神経血管内治療学会専門医に準じる脳血管内治療経験」と「頚動脈ステント留置術を助手として10件以上経験していること」を求めた。「日本脳神経血管内治療学会専門医に準じる脳血管内治療経験」とは、日本脳神経血管内治療学会専門医試験の受験資格と同等の経験を想定している。冠動脈および末梢動脈領域の基礎経験は、いずれも十分なカテーテル治療の実績に相当する基準であり変更は必要ない。
4. 頚動脈ステント留置術は、すでに広く普及した手技であり、いわゆるプロクターシップの必要性はなくなったと判断し、削除した。
5. これに伴い、指導医の規程は削除した。
6.すでに国内で十分な症例数の頚動脈ステント留置術が実施されており、適応判定、調査体制は、学会実施基準としては不要と判断し、これらに関する記載を削除した。
7. 研修プログラムは機器ごとに定めるべきとの判断から、実施基準としては定めないことにした。個別の医療機器を対象に、それぞれの企業が定める。以下に【参考】として、企業が行う頸頚動ステント留置術研修プログラムに求められる推奨基準を示す。なお、学術集会時等において研修コースが開催されることは、頚動脈ステント留置術の安全な普及に寄与するものと考える。
8. ステントシステムと遠位塞栓防止機器の研修をいずれも修了していることを、CAS実施医認定の条件とすることを註2に明記した。
【参考】 企業が行う頚動脈ステント留置術 研修プログラムの推奨基準
課題 実施医[註3] 非実施医
座学 不要 必要
デバイストレーニング 必要 必要
シミュレータまたはそれに準じるトレーニング 不要 機器プログラムに準拠
症例見学 希望時 必要
術者経験[註4] 不要 機器プログラムに準拠
スタッフ教育 不要 必要
註3:他のプログラムですでに認定されている医師で、当該機器の実施医ではない者
註4:経験豊富な実施医の指導のもとで実際の症例を担当する経験、いわゆるプロクターシップのこと。

 資料(ダウンロードファイル
  関連11学会承認 頚動脈ステント留置術実施基準(120117)
  日本脳卒中学会からの通知(120117)

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